さてさて、本日のお話はネーム帯の誕生秘話✨です。
指南書の最後の段階の頃、私は、とある印象的な夢を見ました。
いわゆる明晰夢です。
私の意識は大きな井戸(泉のような)の中にありました。
(明晰夢なので「お、今回も水の中や」などと思っています)
私は、井戸から飛び出そうと思い、そう思うや否やぐんぐんと意識が「上がって」大気中に飛び出しました。
私の心は、まだまだ上に上がりたいと思った時、
空に、透明の水紋の入った壁が出現したのです。
よく見る感じの水を表現する文様でした。キラキラとても綺麗です✨
(う……ん、壁を越えるのは、ちょっと無理かも)と弱気になると、
その水紋の壁は透明から白色に変化(へんげ)しました。
すでに夢の中とわかっている明晰状態だったので我に返って、
(夢なのに、私は、なんで無理って思ったんやろ?)と、
その白色の水紋の空の壁を通り抜けようとぶつかっていくと、
淡い、優しい衝撃が全身に走って、
空一面を覆っていた白い文様がバラバラバラバラ……と崩れ、
身体に、粉々になった壁の素材が降り注いできました。
めちゃめちゃ 好い気持ち……
降り注ぐ粉の気持ち良さってったら!
私たちが壁を通過する時、
見えない時空では、これと同じような現象が起きてるんじゃないかと思いました。
自分でダメだと思う方が「先」なんです。
そう思うだけで、壁は色濃くなって、実体化されていく。
本来、幻想なのに、あたかも「在る」ように見える壁。
だからって、それが悪いわけでは全然なくって、
そんな壁自体も文様のように美しく、
通り抜けるときの衝撃は、むしろエクスタシー✨なんです。
そう考えると、
エクスタシーを「感じる」ために、あえて、壁は出現している──と、
違った観点からは、考察することもできますね。
指南書をお読みになった方は、わかると思いますが、
たろう側といちひめ側の、意識の視座があります。
この場合、
たろうは、「エクスタシーを与えに白い文様(壁)となって現れた」と言えるし、
いちひめからは、「意識が白い壁を現した」という視点が成り立ちます。
どっちも間違いじゃないのです。
両面あって、現実は立ち上がります。
まあ、ともかくも、わたしは、あの気持ち良さを表現したいと思って、
空一面を覆っていた文様の名前を知りたいと思いました。
その時です。
ピンポーン〜 ♪
お向かいのおじいさんが呼び鈴を鳴らしました。
なんだかおとぎ話のような展開ですね。笑
(ここに引っ越しをして12年になりますが、
いつも気に掛けてくださる、お向かいの老ご夫妻。
私たちより、ちょうど20年年上で、
驚くべきことに、私と夫と全く同じ誕生日という、
偶然にしては摩訶不思議すぎるご縁があるお家の方なんです。
このことが判明したのも、5年くらい前ですが)
手には、『京観世』という老舗和菓子店の定番をお持ちでした。
お菓子が大好きな私は、キャーキャー言いながら受け取りましたよ、もちろん。
そして、箱を開けてびっくりしました。
包まれていた袋の柄は、今、名前を知ろうとしていた、まさに、その文様だったのです。
これこれ!
この水紋は、観世水と呼ばれるらしく、
ご近所の観世稲荷にある井戸「観世井」の
「天から龍が舞い降りて以来、井戸の水が常に揺れ動いて美しい波紋を描くようになった」
とのエピソードが謂れだと、お菓子の説明書きには記していました。
すぐに観世井にお参りに向かいましたが、
小学校の横の敷地で、いつもは閉まっているらしく、
区役所に問い合わせて、開けてもらう必要があるようです。
そんなわけで、まだお参りには行けていませんが、
その時には、またご報告しますね。
そんなわけで、
観世水をヒントにして、インパクトのある和洋折衷柄にしてほしいと伝えて、できたデザインがこの表紙絵です。
そして、この観世水の流れを、ネーム帯の名前欄にワンポイントで置きました。
井戸から飛び上がり、壁を通り抜け、空いっぱいに広がるように。
そして、その感覚が、気持ち良いものであるようにと。
あとは、着物の帯のように全体のバランスが美しくあるようにと、
ブルー系の表紙に合わせて、えんじ色で引き締めました。😊
ささやかですが、こだわりのつまったネーム帯なんですよ。
写メ撮って送信をお願いしておりまして、じゃまくさくてごめんなさいね。そして、ありがとうございます。