ミケ的奇想 vol.1

2003年~2022年3月のアーカイブ

桜の「ももいろ」

桜前線北上中。 今、日本中がももいろに埋め尽くされている。 私は、この時期に、桜が開花するということ自体、とてもとても意義深いことのように感じている。 新入学、新卒、新年度…日本人の私たちにとって4月の桜のシーズンは、「年始め」の意味を持っている。 桜には、新しく更新されてゆく私たちの門出に向けられた「祝福」の思いが込められているように思えてならない。 シンボリズム的に考えれば(←現象からではなく、その現象の背後にある『精神性』を起点として考えること──もう、慣れていただけましたか?) 桜の内に、そのような想いが隠されていると言えるだろう。 桜の中に、神様がいる? 桜は、神話に出てくるコノハナサクヤ姫の化身だとする説がある。 私は少しうれしくなる。 コノハナ様は、春が来るたびに、「祝福」のエールを贈ってくれている… 日本中に咲き乱れる このうすもも色は、たぶん、彼女の願いそのものなのだ。 ところで、この桃色という色、本当に不思議な力を秘めている。 私は、POPクリエイターという仕事をしているのだが、桃色を使ってPOPを書いていると、決まって「なんだか、シアワセ~♪♪」な気分に包まれてしまう。 まあもちろん、この仕事が好きなので、どんな色であれ、製作中にはそれなりの幸せ感はあるのだけれど、100発99中『あの気分』を連れてきてくれるのは、桃色だけである。 これは、桜見をしている心境に近い。 というか、花見のために外出しようとする心境そのものだ。 外に桜が咲いてちゃあ、家になどじっとしていられないではないか。 桜のももいろは、心を浮き立たせる力がある。 コノハナ様の祝福は、この時期、日本中に一面、ももいろを、はらはらとまき散らせて、私たちを「外に出でよ」と、かき立てる。 新しい学校で、新しい会社で、新しい仲間と、新しい気持ちで始められるようにと、桜の女神は、新たなるステージへと私たちをいざなうのだ。 「子供が朝、ぐずっていたら、桃色の靴下を履かせるべし」 これは、私が体得した『ピンクソックスのメソッド』。 娘のために、とっておきの勝負靴下をスタンバイさせてある。 でも、今は桜。 だから、そんな小ワザは必要ない。

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