前もどこかで書いたかもしれない。
「ミケさんて、いつも感じよくニコニコしているけど、本当は、仏頂面の似合う怖い人やと思う」
四半世紀前、OLをしていたころ、私は苦手な同僚から、面と向かってはっきり告げられた言葉である。当時、それなりに衝撃を受けて、私のことを大して知らへんくせに…と、傷ついた記憶がある。
今、思えば、めっちゃ笑える。
いや、これ、本質やん。笑
あんなに傷ついたのは、図星だったからだろう。
「笑う角には 福来たる」という言葉があるように、私も、長年そう考えてきて……むろん、今でも、その言葉自体に異論があるわけではないけれど、オバサンも極まった今になって思えば、このような言葉に、力を与え過ぎてきたのがわかる。
「女は愛嬌」って言葉も然り。
私ら世代の女の多くは、愛されるため、いや、もっと端的に言えば「嫌われないため」、あえて「笑顔」を作ってきて、それを良しとしてきたけれど、果たして、その笑顔で、どれくらい幸せになってきたんやろ?
魅力的に感じる人って、必ずしも愛嬌のある人ではないし、いつも笑顔の人でもない。少なくとも、私の周囲の女たちは、そうである。
「仏頂面の似合う怖い」女──いやぁ上等、上等。笑
そう笑い飛ばせるようになって、いよいよオバサンも研磨されてきた感。
いや、「ほんまの私」を自分に与えるきっかけになって、今となっては、むしろ気に入っている言い方ですらある。
あえて仏頂面にすることもないように、あえて笑顔でいることもない。
どの「面」を見せていようが、ただ「私」でいればいい。