宵山の賑わいのなか、近世の絵師、横山華山展にいく。
華山は、かの若冲さんがおじいちゃんだった頃に生まれた人で、明治から大正時代は名の知られた絵師だったらしい。
モチーフは人物から花鳥画、山水図…と幅広く何でも描いている。
人物のいる風俗画が真骨頂と説明にはあったように、華山さんの描く人物は表情豊か。特に、大黒さんなどのおじさんの絵は、愉快この上なくて、顔がニンマリとほころんでくる。(大黒さんをおじさんというのもバチ当たりだけど;)
酔っ払いながら描いた絵も、何点か紹介されていた。
書き殴った風情は、スピード感だけじゃなくて、なんだか華山さんの「笑い」みたいなものもほとばしらせているように感じたよ。
いちばんグッときたのが『七福神酒宴図』。
「たろう」さんのテーマと共通するものを感じた。
眠そうに、だらっとしている毘沙門天さんや、すでに酔っ払っている寿老人に、さらにお酒を勧めるがごとくにお酌する弁天さん……もう、むちゃくちゃで自由すぎる。
でも、ほんと、これぞ、子供のような無邪気さが溢れていて、本来の天界の姿はこっちなんじゃないかとも思えた。
『宝船図』は、華山のほぼ絶筆らしい。
ワタクシごとだが、以前に夢見の宝船について書いたこともあるし、京都タロットの骨格の一つが宝船だから、心惹かれた。絵葉書を購入。
ほかは、祇園祭の山鉾を丁寧に、丁寧に、描いているものはタイムリーで面白かった。
いやぁ〜、すごい絵師さんを知ってしまったわ。
1837年没って書いていたから、ん?と思って調べてみたら、富岡鉄斎が生まれた年だった。まるで生まれ変わりやん!?笑
文化博物館は、今、祇園祭の特別展もやっているので、ついでに観た。平安京建都からの京の様子をわかりやすく展示。さまざまな時代の鳥瞰図がいい。 あ、華山展でも、彼の描いた京都の大きな鳥瞰図が展示されていて、圧巻だったよ。
最後に、池大雅の書と絵の展示が少しだけあった。たぶん、常設ではないけれど。
年代順には、池大雅→伊藤若冲→横山華山って流れやん。生きている間に繋がりがあったかどうかは知らへんけど。
近世の絵師さんって、ほんまにええなぁ。
昨日、行けなかった放下鉾に行くか迷いつつ、結局帰る。