この幻想世界の動力は、個人の目から眺めると『あなたの・わたしの』恋の病い。
そうせずにはいられないそれが動機となって、次のアクション、そして現われが起こる…。
探究自体が恋の病いで、それが終われば、無味無臭世界は勝手に動いていくだけだと思っていた(そしてそれは確かにそうだけれど。「現れ」は個人の感覚に頼らずに、常に現われ続けるから)。そうやって‘死者’として世界に関わるのも、ある意味、害なくていいかもしれない。
でも、ただ私であればいいだけの私は、ひきつづき、幻想世界で遊ぶことを選択することにした。
つまり、そうせずにはいられない恋の病いに突き動かされるような……そう、前と変わらない有り様で、世界が 常に ここに 表現されるという。
前と変わらない??
まあ、そうですね。有り様は何も変わらない。そうせずにはいられないものに任せるのだという意味で。