まだまだ続く「帯」談義。
「帯(おび)」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
近頃の私は、もちろん書籍の「帯」がマイブームですが😊、一般的には、着物の帯ではないでしょうか?
着物は帯があって、はじめてピシッと締まるので、
そんなピシッと凛々しいイメージを抱く人もいれば、
逆に、窮屈さ、息苦しさをイメージする人もいるかもしれません。
もし、夢に「帯」が出てきたり、
帯というシンボルが現実で何度も見えた場合に、
総仕上げの段階を示していたり、欠くことのできない重要なものをを暗示していたりする一方、
自縄自縛している古いもの(価値観)を手放す時だと知らせるためかもしれません。
人や状況によって、夢見解釈はさまざま。
シンボリズムに絶対的不動的な解釈はありません。
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さて、話はかわりまして、
ギリシャ神話には、こんな「帯」のエピソードがあります。
ゼウスとその妻ヘラ。カラッチ作
ゼウスの正妻であるヘラは、ギリシャ神話内で、なぜか、怖めのイケズババア的に登場させられることが多く、ギリシャで最も畏れられているような大神ゼウスも、ヘラを前にするとシュンとなるというか、恐妻家丸出しになっているご様子なんですね。
(たいへん勝手ながら、太田光代&光ご夫妻がふと脳裏に浮かびます;ごめんなさい)
ちなみに、このゼウスという神様は、どうしようもなく女性が大好きで、浮気をしまくっては、ヘラに嫉妬で呪われまくられているのがお二人の定番ちゃんちゃかストーリー。
そんな中、あるエピソードでは、女好きゼウスさんが、
女神でもなく、人間の乙女でもなく、このヘラさんを猛烈に閨(ねや)に誘っているシーンがあるんです。(上のカラッチの絵画)
自ら、女神ヘラを誘うことなどそうそうないのですが。
(なんて夫だ!笑)
なのに、どうして、この時、彼はヘラを熱望してしまったのか?
それは、ヘラさんが彼を誘うために、愛の女神アフロディーテからもらった、魔法が掛けられた帯を付けていたから。
このアフロディーテの帯を身につけると、すごく魅惑的に見えるらしいのですよ。
つまり、帯には催淫作用があるようなのです。それで、ヘラの催淫帯作戦に、ゼウスはまんまと乗ってしまったというわけ。
物語はそんなふうに締められているんですね。
あ!
でもでもでも、、、古女房かわいいやん! と私は思います。
夫の愛を取り戻そうと、帯の力を借りるなんて愛おしい女神さまですよね。
ヘラにそんなことをさせなくても、愛してあげてよー!と、古女房ミケは、ゼウスさんに噛み付きたくなってしまいます。
私に、その帯、くださいな( ̄▽ ̄)
……いやいやいや(笑
このエピソードから、帯というのは、
女性を魅惑的に魅せる作用を暗示するシンボリズムもあるようです。
(まあ、半分は「アフロディーテ」という愛の女神のシンボリズムではあるんですがね)。
ヘラとアフロディーテは、日本神話における、コノハナさんととイワナガさんの美醜対比とも似ていますね。
ヘラはだいたい年増として登場させられています。
(チクショー! ←なぜかヘラ寄り ^^;)
ギリシャ神話でのゼウスとヘラは、日本神話では、イザナギとイザナミに相似しているように思えます。
彼らの黄泉比良坂といわれる古事記の名シーンを元に、パブーの別冊指南書に考察を書きました。
本編指南書とは違う観点から書いています。
『京タロ』の「参・イザナミ」「四・イザナギ」を、深〜く味わうきっかけにもなりますよ。