この一見、おどろおどろしいカードは、最初、ここまで怖くなかった。天女が井戸に舞い降り地底に花を捧げていた。私は、朋百香さんの描いたそのカードに満足していた。井戸を挟んだドクロと天女のコントラストに安堵を覚えていた。
その後、朋百香さんにさまざまな出会いがあり、変更させてほしいというお願いがあった。朋百香さんの描くもの、とき、きっかけは、いつもパーフェクトだった。
わたしが反対するわけがなかった。
そして、この絵がやってきた。
私はその時の心境をよく覚えている。 ショックだった。一切の妥協がなかった。 そして、自分の甘さを知った。
今、解説を書くにあたり、自分の甘さを改めて思い知らされている。
13の「死」に相当するイドは、お茶を濁すような中途半端なものではないのだ。 死。それは、ただ恐れるものではない。完全なる移行。完全なる変容である。