ミケ的奇想 vol.1

2003年~2022年3月のアーカイブ

切なさに招かれて

実は、先週、義父が他界しまして忙しくしておりました。

気ままだけど人情味のある昭和ヒトケタの男でした。

実父の時も感じたのですが、人生の儚さに胸がぎゅっと締めつけられます。

悲しいというより、切なくてしかたがない感覚です。

この世界はなんという儚いところなんでしょう。

夢を見続けるだけという切なさ。 いずれすべて消えるのに… この切なさから逃げられない。

この切なさだけが、この世に生きるすべての者と共有しうる唯一のもの。

亡くなった人の記憶も、「私」がなくなったら、全て消えます。

なかったことになるのです。なんという儚さでしょう。

 

でも、当然です。それでいいのです。

すべてが消えて、いつも「今」があることを知っても、 大いなる安堵を知っても……この儚さに身震いしてしまいます。

かりそめのものと知りつつ、愛おしみたい。

そんな切ない思いに囚われます。

消えてもいいから愛したい。この愛さえもいつかは消えてしまうでしょう。

それでも愛したい。  

そう心から思えるとき、永遠と共振します。

近しい人の死は、それを思い出させてくれる数少ない機会です。

 

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