[h2vr char="17"]
中心太陽より25度の傾斜をもった50万光年ほど離れた小さな水の星は、ある筋によると、「わたつみマンション」と呼ばれているらしい。 「わたつみマンション」には、龍や大鯉や大鰐などの海神が住んでいた。彼らは、年頃になると、火の鳥の集う中心太陽の「ほのお別館」に集められる。そこで気に入った連れ合いを見つけると、愛し合うために共に空に舞い上がる。 海神と火の鳥が睦み合うと、ふつうは石の子どもが生まれる。 それをある筋では、惑星というらしい。 海神と火の鳥の相性が良すぎて、愛し合ったまま離れられないことが、しばしば起こる。 彼らは結合したまま、歓喜そのものとなり、それをある筋では、太陽とか恒星と呼ぶらしい。 海神と火の鳥がからみ合いながら歓喜をふりまき夜空を駈ける姿は、ある筋では、流れ星と呼ばれる。 (完) [/h2vr]